沖縄を知る

#034 チキンの丸焼きは沖縄のソウルフード!?

アメリカ映画の食卓にしばしば登場するチキンの丸焼き。最近でこそクリスマスディナーにアリかもしれませんが、日本の日常には馴染みのない料理。かと思いきや、沖縄では「大勢が集まるときにはもちろん、普通に夕飯のおかずに出たりもするし、クリスマスなんてチキンを買う行列で渋滞ができるほどよー」と、驚きの証言が。

確かに沖縄の街にはチキンの丸焼き専門店がいくつもあるのです。店頭にはつやつやとおいしそうに焼き上がったチキンが並び、香ばしい匂いにお腹がグゥ。「先代の創業者がペルーに移民していて、戻ってきたときに向こうの料理を出したのが始まり」とは、元祖・沖縄チキンの丸焼きを謳う「コッコロハウス」。

レシピはお店によって様々です。ハーブとレモンを効かせたブラジル風もあれば、浦添の人気店「ブエノチキン」はその名のとおり、移民先のアルゼンチンから帰ってきた人から受け継いだ味で、ごろごろのニンニクと2時間かけてじっくり焼いたジューシーな香りが食欲をそそります。「チキンの丸焼きは、アメリカ文化と移民文化が混じり合った沖縄の食文化ならではの料理なのかもしれませんね」とブエノチキンのオーナーと話していると、タクシーで乗り付けたおばあが「ちょっと孫のところに行くから2羽ね!」と焼きたてのチキンを買っていきました。

ANA