沖縄を知る

#020 竹富島のトヨおばあの話

「昔はこのへんはみんなジャングルだったの。だから長生きして、こんなジョートー(いい、素晴らしい)になった竹富を見れて、よろこんでおるよ。

前はね、苧麻(注;麻の一種)で機織りをしておったんだけれども、今はしていないのでやることがない。それで、こうしてお手玉とか数珠とか手仕事をしておるわけ。お手玉には昔は海の砂を入れていてそっちのほうがジョートーなんだけれど、今はお米を入れている。

手仕事は、朝、ひ孫が学校に行くのを見送って、家のまわりを散歩して花を眺めて、それからやるのよ。一日中、いつなにをしていても楽しいよ。世の中が平和でね、みんな元気でね。もうすぐ百歳になるけれど、長生きして得したね」(加治工トヨさん、99歳、竹富町)

ANA