沖縄を知る

#004 やんばるのコーヒー農園を訪ねて

沖縄はコーヒー栽培の北限地。その気候風土から甘みのある上質なコーヒーが育つといわれています。ブラジル移民が持ち帰ったコーヒーの苗を受け継ぐかたちで農園が拓かれたそうで、今では本島北部のやんばるを中心に数十軒。ヒロ・コーヒーファームはその草分け的存在です。
「父がコーヒー栽培を夢見て移住し、20年前にはじめた農園です。以前はここのカフェで出せるくらいの収穫はあったんですが、2年前の台風でめちゃくちゃになって……。地域の人に助けてもらって、なんとか再開にこぎつけました」と二代目の朋子さん。初代の愛弟子であるノリさんは、コーヒーの木についた小さな実をうれしそうに見せてくれました。「コーヒー作りは試行錯誤の連続です。日々成長を見守りながら、じっくり焦らず、自然のままに育てていきたいです」。
再び沖縄コーヒーを飲めるようになるのは早くても3、4年後になるそう。その一杯を味わいに、また飛んできたいと思います。

東村

コーヒーゼリーとコーヒー

ココアのような香りと甘み

農園に併設されているカフェでは現在、沖縄コーヒーのルーツであるブラジル産の豆を使ったコーヒーを提供。焙煎は、後味さっぱりの「ミディアム」とコクと苦みのある「ストロング」の2種類。ミディアムローストは少し冷ますと、まるでカカオみたいな香りと甘みが出てきます。「この甘みが沖縄コーヒーの特徴なんです。焙煎はノリくんの担当ですが、うっとりするようないい香りが漂ってきますよ」(朋子さん)

ソーセージをコーヒーでボイル

ソーセージをコーヒーでボイル!?

カフェメニューのホットドックに使うソーセージは、なんとコーヒーでボイル!「スモークみたいな味わいになっておいしいんです。コーヒーって、いろいろな楽しみ方があるんですよ。ぜひお家でも試してみて」(朋子さん)

ヒロ・コーヒーファーム

コーヒーホットドックとトロピカルな庭

コーヒーでボイルしたソーセージをプレッツェルのパンに挟んだコーヒーホットドックを味わえるヒロ・コーヒーファームのカフェ。庭にはノリさんが実験農園と呼ぶ小さなジャングルが。パッションフルーツ、アセロラ、バナナなど、様々な木や花が植えられ、ニワトリが闊歩するのどかでトロピカルな景色に癒されます。畑では現在80本のコーヒーの木を栽培、このほかに1000坪の畑があり、少しずつ再生中です。

ヒロ・コーヒーファーム

沖縄県東村高江85-25

ANA