オフシーズンの沖縄で、
心とカラダをほどく旅。
友人と再会し、旅を再開する本島の二泊三日

Writer

伊佐 知美

Photographer

古性 のち

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沖縄本島。そこは、世界中をめぐる長いながい旅をしたあと、どこか好きだと思える南の島で暮らそう、と決めた私が、最後に選んだ場所だった。

丸一年、沖縄本島の四季を暮らしてわかったことは、この島はやっぱり最高だということ。年中温暖な気候、柔らかな風、飛び交う鳥に生き生きと育つ植物、どこかゆっくりと過ごしているように感じられる「うちなーんちゅ(沖縄の地元の人たち)」の空気感、そして、外からやってくる私のような県外の人を、笑って受け入れてくれる懐の深さ。

青い海、青い空、咲き誇るハイビスカスと強い日差しを堪能しきる真夏もいいけれど、うちなーんちゅはみんな口を揃えて言う。10月を過ぎて、秋冬がやってくる気配がする沖縄は、「過ごしやすくなっていいねぇ」と。

そんな、じつは一年で一番気持ちいい季節の一つである秋冬の沖縄の日々を過ごす私に、「沖縄本島を旅する仕事をしませんか?」とメールが届いたのは、つい最近のことだった。メールには、「フォトグラファー・古性のちさんと一緒に」という言葉が添えられていた。

古性のち。ともに世界を旅して、一緒に旅を続けるためのシェアハウスを立ち上げて同じ屋根の下で暮らし、そうして今は、各々が好む街に居を構え、写真を撮って、文章を書く仲間として生きる大切な友人の名前だった。

東京からやってくる彼女とふたりで、私が愛する沖縄をめぐる旅。断る理由が一つも見当たらなくて、「ぜひ」と二つ返事でメールを戻す。

そうして私たちは、沖縄本島で再会したのだ。じつに数年ぶりの、二泊三日の二人旅が始まった。

DAY1

積もる話は、沖縄中部の
古民家カフェで

「みやび茶屋・仲元」

まずやってきたのは、沖縄本島中部の「みやび茶屋・仲元」。

築50年を超える古民家カフェで、地元の人がわざわざ買いに来るという人気の和菓子とお茶をいただきながら、互いの近況をキャッチアップしようという魂胆だ。

この数年間で、世界は少し変わっていった。受け入れる人も、旅をさせてもらう側も、安心して過ごせるように、できることはやりたいよね、と二人で両手を消毒して、できるだけマスクをして過ごすことに決める。これは、私たちの新しい旅の習慣になるだろう。

人混みをできるだけ避けて、広々・ゆっくりと過ごしたいねと、平日に集合した甲斐があった。観光ではなく、沖縄の「ふつう」の日々の時間の流れが感じられる気がしたからだ。

のちちゃんは、「沖縄って、独特な『香り』がするよね。まるで海外に着いたみたい」と言う。わかるような気がした。私も、沖縄の植物が伸び伸びと育つ様を見て、「ここはやっぱり、少し日本じゃないなぁ」と感じたりするから。

日本なのに、日本ではない場所にいるような、新しい自分に会えそうな、そんな気持ちにさせてくれるのが沖縄なんじゃないかと思う。

誰でも楽しめるように、と卵や乳製品を使わずに仕上げたふんわり食感の皮に、優しい甘さのあんこが挟まった名物のどらやきに舌鼓を打ちながら、互いに話す声が秋冬の沖縄に溶けて、気持ちがほぐれていくのを感じる。

みやび茶屋 仲元

沖縄県沖縄市諸見里3-22-15

恩納村の海

やっぱり沖縄に来たからには、海辺を歩きたいよね、と恩納村のビーチに寄る。

今日はあいにくの曇り空。けれど私たちは、雨だって曇りだって、世界には美しさが隠れていることを知っているし、のちちゃんに至っては晴天よりも、曇りの日を好む人。確かに、この日しか見られない海の青さだってあるもんね。

「東京を出発した時は、コートを着てたよ」と彼女は言う。「信じられない」と私は答える。曇っていても、風はあたたかく、ワンピースとサンダルで平気だから沖縄ってすごい。

ガラス体験工房
「GlassWorks ちゅき」

北国で生まれ育ったオーナー・吉田さんが、ガラスに惹かれて修行を重ね、ついに独立してやっている、ガラス体験工房「GlassWorks ちゅき」へ。

ここでは、沖縄の自然の色をぎゅっと凝縮したような、カラフルなガラスのかけらを閉じ込めた、世界にひとつだけのお皿を作ることができるそう。

迷ったけれど、大好きな沖縄の海の青と、朝焼けと夕焼けの空色を詰め込んだお皿を、1枚ずつ作ることに。

日常から離れて、いつもと違う作業に没頭する時間って、とても贅沢。

「この色でもない」「こっちでもない」と笑いながら作業していたかと思ったら、集中しすぎて最後は無言に。焼き上がりは一週間後。届くまで旅が続く気がするから、こういう体験モノは、とっても好きだ。

(追記!旅を終えた後、お皿が自宅に届きました!)

帰り際、「GlassWorks ちゅき」の真髄は、研究を重ねた特許技術製法で、植物を閉じ込める作品にあると聞いた。次にのちちゃんと来られた時は、沖縄で育った花や植物を閉じ込めてみたいなぁ。

GlassWorks ちゅき

〒904-0416 沖縄県国頭郡恩納村山田363-1

・ガラス体験は事前予約が必要です。

「おんなの駅 なかゆくい市場」

次の目的地に向かう前に、ちょっと寄りたい場所がある、と彼女を恩納村の「おんなの駅 なかゆくい市場」に連れてきた。

私の家は、この近くの海沿いにあるのだけれど、沖縄産の新鮮野菜や揚げたてのサーターアンダギーなんかがほしい時に、時おり買い物に来る場所なのだ。

沖縄生まれの果物「スターフルーツ」や、お茶やジャムなどにするとおいしい旬の「ローゼル」、サーターアンダギーの失敗から生まれた隠れた人気商品「ブルース」など、彼女が惹かれるものを見ているだけで、なんだかいつもと違う沖縄の側面が発見できる気がして嬉しくなる。

旅は、できれば暮らすように。市場やスーパーなんかへ行くと、その土地の本当の顔が見える気がして、私たちは旅先で、いつもマーケットに寄ってしまう。

おんなの駅 なかゆくい市場

〒904-0415 沖縄県国頭郡恩納村仲泊1656−9

沖縄料理「榮料理店」

沖縄到着の初日の夜は、やっぱり沖縄らしい食事がしたいよね、とやってきたのがうるま市の「榮料理店」。

2021年10月までは、市内の繁華街にお店があったけれど、11月に移転して、新しい立地と建物に生まれ変わった。

さっき市場で眺めていた、沖縄らしい食材を使った料理が、次々と運ばれてくる様子に、いちいち感動してしまう。

これまでたくさん沖縄料理を食べてきたけれど、「これ……!えっ……!?今まで食べた沖縄料理の中で、一番おいしいのでは……!」と感動したのが、「ジーマーミ豆腐揚げ出し」。

のちちゃんが格闘していたのは、名物の「てびち唐揚げ」。

沖縄料理の定番「ソーメンちゃんぷるー」の、榮料理店オリジナルバージョン「海ブドウのそうめんタシャー」は、シソソースと海ぶどうのプチプチが効いていて、沖縄をまるごと食べているみたい。

普段はあんまりお酒をたくさん飲まない私たちだけれど、あまりにおいしい料理を前に、沖縄ならではのお酒に挑戦したくなってしまって、いくつかの地酒に挑戦する。

たとえば、オリオンビールのプレミアムクラフト「75BEER」、各種泡盛の古酒、本島の離島・伊江島のサトウキビのしぼり汁で作られたラム酒「イエラムサンタマリア」など……。その土地で生まれたものをいただくって、どうしてこんなに幸せ気分になるんだろう。

榮料理店

〒904-1106 沖縄県うるま市石川伊波1553−463

夜は、やんばる(沖縄北部の通称)に移動して、宿「翡翠巣 KAWASEMINOSU」へ。旅先の夜は名残惜しくてつい夜更かしをしたくなるけれど、明日も明後日も早起きをしたいから、と二人でぐっすりと眠る。やんばるの森で、木々が揺れる音に囲まれる夜って素敵だ。

Day2

やんばるの森で目覚め、
大自然の恵みを堪能する

宿「翡翠巣 KAWASEMINOSU」

目覚めのきっかけは、やんばるに住む鳥の鳴き声と、木々の葉が風に揺られてこすれる音、そして雨の音。

二人とも、世界も日本もたくさん旅をしてきたから、宿の経験も豊富だ!なんて思っていたけれど……「このお宿、今までで一番いいかもしれないね?」と、よすぎてちょっと戸惑う朝。

お部屋は広くて。

窓の外には、やんばるの森と、アプローチの水源、そして屋根付きの屋外お風呂。

冷蔵庫には、朝ごはん。やんばるで人気のふんわりパンが、カラダにも心にも幸せを届けてくれる。ちなみにお茶は、昨日なかゆくい市場で買った「ローゼルティー」と、さんぴん茶を淹れてみた。

Photo by Tomomi Isa

のちちゃんは、大自然のお宿のウッドデッキで雨宿りしている小さな来客・カマキリに夢中だった(わかりづらいけれど、写真のウッドデッキの端にカマキリがいるのです)。

チェックアウトの時間が近づいても、名残惜しくて離れたくない!という気持ちがすごい。せめて足湯を、と未練がましく入ってみたけど、そうだ、次の予定は二人でとっても楽しみにしていたやつなんだ。行かなきゃ。

翡翠巣 KAWASEMINOSU

〒905-1634 沖縄県名護市運天原527番地

屋我地エコツーネット
「沖縄手打ちそば」体験

沖縄に来たら、やっぱり食べたいものシリーズ第二弾は、沖縄そば。ただ食べるだけじゃない。今日は沖縄そばを、打つところから始めるのだ!

教えてくれる二人は、やんばるの島・屋我地島の「屋我地エコツーネット」スタッフの栂村(とがむら)さんと佐藤さん。「まずは粉をこねましょうね」の口ぶりは、沖縄の方言の代表格でなんだか愛しい。

まずは、沖縄そば作りに欠かせない、畑の自家製野菜を収穫するところからスタート。

そのあとは、強力粉に、世界中で屋我地島にしか残っていない「入り浜式製塩法」で作られた、沖縄のミネラルたっぷりの塩「やがじまーす」、琉球列島固有種「沖縄ニッケイ(ニッケイ=本州ではシナモン)」で作った水を混ぜ、ゆっくりこねて、こねて、こねて……。

ひたすらこねる! こね終わったら、生地を伸ばして、好みの麺の太さに切っていく。

切り終わると、「縮れ麺にしたかったら、教えてね〜」の声が。「えっ、そんなことできるの!?やりたい!」とアレンジを加えることに。

切った麺に打ち粉をたっぷりまぶして、手で優しく包んでちょっと握って、ほぐしたら……この縮れ!

ただ沖縄そばを打つだけじゃなくて、好みの麺にアレンジまでできるなんて。

そして出来上がったのがこちらの沖縄そば。一緒に沖縄の炊き込みご飯「ジューシーメー」も作ってくださったよ!お茶はもちろん、さんぴん茶。

もっちもちの麺に、あっさりしているけれど味わい深いスープ、穫れたてのフーチバー(沖縄でヨモギのこと)やネギが合わさって、おいしい〜!

あまりにも上手な出来に、「もしかして私たち、沖縄そば作りの才能があるんじゃ……?まさか、開店か……?」と夢を膨らませてしまう。

この日は特別に、沖縄そばの麺を寝かせている間に、沖縄の冬のお菓子「ムーチー」と、地元ではみんな大好き黒糖蒸しパン「アガラサー」も作らせてもらった。

どちらのお菓子にも必要なのは、沖縄に自生する「月桃 (げっとう) 」の葉っぱ。聞いた時、「月桃大好き!」と二人で声を合わせてしまった。お茶にもなるし、お菓子作りにも欠かせないし、沖縄っぽい植物だから、二人とも大好きなのだ。

「いま、そこの茂みで収穫してきましたよ!」という信じられないほど鮮度のいい月桃を、きれいに拭いて、型に敷いて焼いていく。

沖縄の恵みと香りがたっぷりと移ったおいしいお菓子は、道中のおやつとして持ち帰らせていただくことに。その後、沖縄旅の車内が、月桃の爽やかな香りでいっぱいになった。

屋我地エコツーネット

・沖縄そば体験は事前予約が必要です。

旅のひと息「Fifi Parlor」

食後の腹ごなしは、海沿いのブランコで。今帰仁村の「Fifi Parlor」でレモネードとグアバ。のちちゃんは、黄色とピンクの飲み物が好きだなぁ。

Fifi Parlor

〒905-1154 沖縄県名護市呉我 大真利原1335-4

木造帆船「Hentona Sabani」

今日も海まで来たので、せっかくなので船に乗ろう、とやってきたのが「Hentona Sabani」。

「サバニ」とは、沖縄周辺の島々で、古くから使われてきた木造船。エンジンを使わず、風の力を借りて静かに進む木造帆かけサバニの魅力を、実際に海に乗り出しながら教えてくれるのは、大宜味村で暮らす邊土名(へんとな)さんだ。

彼は、もともとは街で会社員をしていたけれど、サバニの美しさに惹かれ、サバニ作りの修行を経て、父祖の故郷である大宜味村でサバニ作りやサバニツアーを始めた人だった。

邊土名さんのサバニにはモーターが付いていないから、大自然の音を邪魔するものが一つもなくて、ちゃぽん、という波が船に当たって跳ね返る音や、海の中をカラフルな魚が行き交う様子、太陽の光が反射する様が、そのまま感じられた。

できたら夕暮れを眺めながら乗りたかったのだけれど、無理かなぁ……と思っていたら。

HENTONA SABANI

〒905-1319 沖縄県国頭郡大宜味村宮城365-3

・サバニ体験は事前予約が必要です。

津波海岸

晴れたーーー!!!

残念ながらサバニは降りてしまったけれど、近くの津波海岸に立ち寄ってみたら、ちょうど!美しい!夕暮れが!そこに!!

嬉しすぎて、二人でたくさん写真を撮った。

津波海岸

〒905-1318 沖縄県国頭郡大宜味村

「やんばる地鶏や 鶏鳥」

夜は、名護・宜野座エリアの沖縄食材と地元のお酒「やんばる地鶏や 鶏鳥」で、沖縄では珍しい地鳥料理をたくさんいただいて……。

やんばる地鶏や 鶏鳥

〒905-0015 沖縄県名護市大南2-15-22 1F

名護の満月

そして、帰り道は空を見上げてみることにした。

今夜は、ちょうど満月の予定だったからだ。お天気を心配していたけれど、先ほどの夕焼け以降、空から雲が減り続けていた。期待しながら空を見ると、名護の海沿いの夜空に満月が浮かんでいて、なんだか嬉しくなって顔を見合わせる。

誰もいない浜辺の夜を、二人きり。周りには、他の誰の気配もなくて、けれど大自然に囲まれているから、ヤドカリや「ヤールー(沖縄でヤモリのこと)」、鳥たちがどこかで眠る気配はする。もしかしたら、視界のどこかにはヤギや牛、マングースなんかもいるのかもしれない。

満月と一緒に、たくさんの星まで見えた。明日はもしかしたら、美しく晴れ渡ってくれるのでは? 「早起きをして朝日を見に行こうよ」と約束する。沖縄の秋冬の日の出時刻は7時前。晴れを祈って、二人で眠りに就いた。

DAY3

輝く朝日の丘、
沖縄県産コーヒー、海と思い出

「ジュゴンの見える丘」

晴れた。日頃の行いがいいと言わざるを得ないだろう。曇りの沖縄も、雨の沖縄も素敵だったし、それぞれの魅力があった。味わった。

けれど、やっぱり一度は満喫したい!沖縄の太陽の恵み……!

訪れたのは、名護市嘉陽エリアにある「ジュゴンの見える丘」という名前の、少し険しい道を10分ほど歩くとたどり着く、やんばるの大自然の丘だった。ちょっとした冒険なので、のちちゃんは「体力に自信のない伊佐さん、大丈夫?」と心配してくれたけれど、どうしても来てみたくてやってきたのだ。

東の空が白んでくる頃、昨夜見ていた満月が、西の空に沈んでいった。東も西も、一望できる沖縄の自然の壮大さに、言葉が出ない。

聞こえる音は、波の音と鳥の声、遠くからやってくる風が揺らす木々の音だけだった。

世界が止まってしまったみたい、と私は思う。

手を伸ばしたら、何か新しい私たちが掴めるんじゃないか、とさえ思った。

ジュゴンの見える丘

〒905-2262 沖縄県名護市嘉陽

・丘への入場は事前予約が必要です。

コーヒー豆収穫・焙煎体験
「又吉コーヒー園」

とはいえ残念ながら空は掴めなかったから、沖縄で育ったコーヒー豆を掴みにいくことにした。そう、沖縄は、コーヒーベルトの最北限。コーヒー豆が育つ土地なのだ。

やってきたのは、又吉コーヒー園のコーヒー豆収穫・焙煎体験。

赤と黄色のコーヒー果実は、よく熟れたものを選んで手摘みする。

コップいっぱいに集めたら、果実の皮と種を分けて、傷んだものを選り分けて、乾燥させて、皮を剥く。

そしてその豆を炒って、ミルで挽いて、やっとドリップ……!

「って、え!?工程多くないですか?」と体験を主宰する又吉さんをちらりと見る。

すると、「そう、それがこの体験で知ってほしいことの一つなんですよ」と優しく教えてくれた。

日常で、コーヒーを見かけるシーンは多い。私は一日一杯は必ずコーヒーを飲むので、なおさらだ。けれど、その一杯のコーヒーが、どこからやってきて、どういう風に作られて、それができあがるまでにどんな労力がかけられているのか、について想いを馳せたことがある人はどれだけいるでしょう、と彼は続ける。

又吉コーヒー園で育てられた、沖縄県産コーヒー豆を100%使って淹れたコーヒーは、一杯1,400円以上する。金額を主張したいわけではなくて、コーヒー一杯の値段がどのように成り立っているのかを、この体験で知ってもらいたいということだった。

南国の沖縄だからこそ、五感で学ぶことができる貴重な体験。

その話を、じっと隣で看板猫のミケは一緒に聞いてくれていた。猫とコーヒーと、沖縄。

居心地がよすぎて、のちちゃん、もうこの園から出てくれないかと思ったよ。

Photo by Tomomi Isa

又吉コーヒー園

〒905-1205 沖縄県国頭郡東村慶佐次718-28

・収穫体験 : 11月〜4月頃まで (要予約)
・焙煎体験 : 年中受付 (要予約)

「413 Hamahiga
Hotel & Cafe」

神の島と呼ばれる島が、うるま市にある。名前は「浜比嘉島」。その島の端っこに佇むのが、「413 Hamahiga Hotel & Cafe」というホテルに併設のカフェだ。今日のランチは、ここでいただくことにしよう。

なぜなら、今日はすこぶる天気がいい。

「413自家製スペアリブ・プレート」と「スパイシーココナッツミルクカレー」、そしてマンゴージュース。頭の中に「沖縄」と言って最初に思い浮かぶような、絵に描いたような光景が私たちの目の前に広がっていた。

「ここ、天国……?」

浜比嘉島の周辺は、ビーチスポーツのメッカでもある。ウインドサーフィンやパラグライダー、シュノーケルなど、思い思いの海の楽しみ方をする人たちの姿と、遠くで誰かが踊る音楽と笑い声。

「自由だね」とのちちゃんが言った。そうそう、沖縄って、なんだか自由さを感じるよね。

私たちは、東京にいると、つい秋冬の寒さにつられてカラダと一緒に気持ちまで縮こませてしまうけれど、同じ日本国内に、まだこんな夏みたいな日々が過ごせる島があることを知っていたら、なんだかいつでも「逃げてこられる」ような気がして、少し強くなれるんじゃないかなと私は思う。

413 Hamahiga Hotel & Cafe

〒904-2315 沖縄県うるま市勝連浜548-2

「瀬長島ウミカジテラス」

浜比嘉島からの帰り道、そろそろ、旅のラストが近づいてきていることに、二人とも気づいていた。「まだもう少しこの旅を続けたい」と思ったけれど、そういう風に感じられる旅が、じつは一番幸せな旅だと私たちは知っている。

そしてまぁ、旅の終わりは終わりである。

後ろ髪を引かれつつも、「旅の思い出に、アクセサリーを買おうよ」とやってきたのが、空港近くの「瀬長島ウミカジテラス」に店を構える「itosina -イトシナ-」。

二人とも、気に入った旅先を見つけると、その旅先をいつでも身につけていられるように、土地で生まれたアクセサリーを買う癖があった。いつもはそれぞれ好きなものを選ぶけれど、今回選んだのは、おそろいの小さなピンキーリング。

海が一望できる工房兼ショップで、たった今加工された、昨夜見た月みたいな鈍い光を放つ小さなリング。

これを身に着けていたら、楽しかった時間や、美しかった瞬間を、いつでも思い出せるような気がした。

瀬長島 ウミカジテラス

〒901-0233 沖縄県豊見城市瀬長174-6

itoshina -イトシナ-

瀬長島 ウミカジテラス内 (店舗番号40)

またね、と空港で

秋冬の沖縄には、世界に私たちしかいないんじゃないか、と思える瞬間が何度もあった。広々とした南の島の日々は、いつだって私たちに優しい。

「またね」と軽やかに手を振りながら、東京に戻る彼女を見送る。誰かを沖縄に迎えて、送り出す、こんな旅もいいなぁと噛みしめる。

私たちもそうだったけれど、この数年、旅をしばらくお休みしていたよという人は、多かったんじゃないかと思う。

また再び、どこか遠くへ。そう感じた時、心に浮かぶ場所はどこだろう? もしそれが沖縄だったら、こんな風に、ゆったりと楽しむ本島の旅を薦めたい。

沖縄には、いつだって朗らかな時間が流れていて、あたたかな風は心とカラダをほぐしてくれて、移ろう空の色の美しさは、小さな悩みなんてどうにかなるよ、と感じさせてくれたりする。

日本の一番南の県は、当たり前かもしれないけれど、冬が来たって日本で一番暖かい。本州がこれから寒くなる季節、サンダルで歩ける可能性があるのは、唯一、この沖縄だけだ。

誰かがやってくるのを、また沖縄で待っていようと思う。

文 : 伊佐知美
写真 : 古性のち
※クレジット表記がないものすべて

※撮影にあたっては取材先へ事前に確認、調整を行い、感染対策を徹底したうえで行っております。

※沖縄県では、旅行者と県民の皆様の安全・安心を守るためのアクションプランを策定し、感染予防・拡大防止に取り組んでおります。

来県にあたっては、皆様のご理解とご協力の程、何卒宜しくお願い致します。

PHOTO SPOT

写真を撮影したスポットを紹介します

みやび茶屋・仲元

みやび茶屋・仲元

GlassWorks ちゅき

GlassWorks ちゅき

おんなの駅 なかゆくい市場

おんなの駅 なかゆくい市場

榮料理店

榮料理店

翡翠巣 KAWASEMINOSU

翡翠巣 KAWASEMINOSU

屋我地エコツーネット

屋我地エコツーネット

Fifi Palor

Fifi Palor

HENTONA SABANI

HENTONA SABANI

津波海岸

津波海岸

やんばる地鶏や 鶏鳥

やんばる地鶏や 鶏鳥

ジュゴンの見える丘

ジュゴンの見える丘

又吉コーヒー園

又吉コーヒー園

413 Hamahiga Hotel & Cafe

413 Hamahiga Hotel & Cafe

瀬長島 ウミカジテラス

瀬長島 ウミカジテラス

Writer

伊佐知美

沖縄在住の編集者・フォトグラファー。三井住友VISAカード、講談社、Waseiを経てライター・フォトグラファーとして独立。日本一周、世界二周、語学留学しながらの「旅×仕事」の移動暮らしの後、沖縄本島に移住。オンラインコミュニティ「旅と写真と文章と」、英語を学ぶ「English Challenge」主宰。これからの暮らしを考える『灯台もと暮らし』創刊編集長、移住体験者の声をまとめた『移住女子(日本語・韓国語出版)』の著者でもある。

Photographer

古性のち

1989年横浜生まれのフォトグラファー / BRIGHTLOGG,INC取締役。飾らない日々をドラマチックに表現することが得意。共著に「Instagramあたらしい商品写真のレシピ」。2022年春に単著発売予定。愛機はFUJIFILM X-T3・Nikon Z 6II。

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