サトウキビ畑の音
沖縄に生まれ育った人にとって、サトウキビ畑の音は一番懐かしくて沖縄らしい音。風が静かなときはやさしく「ざわざわ」、風が強いと「ざあー」っとまるで雨が降っているような音がします。南国の太陽を浴びて背の丈の倍くらいにのびたサトウキビは、12月末から4月中旬が刈り取りの時期。風がサトウキビを揺らす音とは別に、「ざっざっ」と聞こえてくるのは刈り取りの音。丁寧に一本ずつ、手に持ったカマで葉を落としながらサトウキビを刈り取っていたご夫婦がいました。「今も手刈りがほとんどよ。キレイにできるから。機械だと葉もなんも一緒に刈ってごちゃごちゃにしてしまうから。去年は台風がすごかったから、ほら、こんなふうに茎が曲がってしまって。来年は台風があんまりこないといいねえ」。きれいに束ねられたサトウキビは、製糖工場へ。いつもは眠っている製糖工場も、この時期だけは24時間フル稼働です。