津嘉山酒造の泡盛作りのこと
「一口に泡盛といっても、麹造りや蒸留器、貯蔵容器によってもかなり違いがあります。そのバリエーションは多彩すぎて、特徴を列挙し出すときっと混乱させてしまいます(笑)。ただ、泡盛らしさとして言えるのは、泡盛は、沖縄の500年の歴史が詰まったお酒だということ。中国の蒸留技術や日本のバラ麹(注;日本酒や味噌、醤油作りに使われる)の技術、沖縄にあった黒麹菌など、琉球王朝であればこその様々な条件をもとに、先人たちが試行錯誤して作り上げたのが泡盛なんです。泡盛は今や、沖縄が自信を持って世界に発信できるお酒だと思っています。津嘉山酒造では、昔ながらの手作りにこだわって泡盛を作っています。手作りだと麹の置かれている環境に自分もいることができ、麹に手で触れることもできるので、暑い夏や寒い冬でも環境に応じて機械ではできない対応ができるのです。とにかく泡盛は、みんなでワイワイ楽しく飲むのが一番。もし上等な古酒が手に入ったら、カラカラなど酒器にこだわって、じっくりと味わってみてください」(名護市 津嘉山酒造所、大城宜実さん)