沖縄の伝統工芸に共通する魅力は、 暮らしに根付き、 自然を映し出していること。 南国らしい鮮やかな色の紅型、 島の素材を使った木工や織物。 食文化がそのカタチに 表れているやちむん。  そして琉球ガラスには、 沖縄の太陽が 閉じ込められているように思います。

琉球ガラスは伝統工芸としては、 もっとも歴史が浅く、 沖縄で初めてガラスが作られたのは 明治の中頃。 当時は材料に乏しかったため、 廃瓶を再利用して作られていました。 そして、大きな進化が訪れたのが戦後。 ビールの茶色、コーラの薄緑、 セブンアップの緑…… アメリカから入ってきた 色付きの廃瓶をきっかけに、 沖縄のガラス製品は 今やその特徴として知られる 「色」を得たのだそうです。

現在は、廃ガラスではなく、原料ガラスを使っているところも多いですが、その素朴な手触りや、グラデーション、ガラスに閉じ込められた気泡が生み出すきらめきなど、どちらも琉球ガラスらしい美しさを持っています。

そんな琉球ガラス作りを体験できる場所が、 テーマパークから作家の営む小さな工房まで、 沖縄にはいくつもあります。 お気に入りを探して買うのも楽しいけれど、 自分の手で作れば、そのきらめきはいっそう 旅の思い出を映し出してくれるでしょう。

「やってみると、思ったよりも ガラスがトロトロで面白い!」 と、体験した人は興奮した面持ち。 一方で慎重になりすぎて、うまく成形する前に 固まってしまうことも。 「失敗しても、ガラスは溶かして 何度でもやり直しできるので、気楽に!」 若い職人さんに励まされます。

「夕飯どうしようかな~」路上教習から戻った合宿生の男性のつぶやきに「今日は教官の会議があるから、料理余ったら持っていってあげるさ!」と、所長。すかさず彼は「じゃ、寿司にして!(笑)」

「歪んだりデコボコしてもいいので、 自分の手で思うように作ってほしい」 とは、自分の工房で体験を 受け付けているガラス作家さん。 作るのも使うのも思うままにと言います。 日常的で、自由であること。 それが琉球ガラスの魅力です。

だから、あんまり緊張せず、 リラックスして、 真っ赤に溶けたガラスを 自分の息でふくらませ、 自分の手で整えて、 その小さなグラスのなかに、 沖縄の光をつかまえてみませんか。。

【取材協力】

尋グラス工房
沖縄市知花5-24-20
http://ryukyuglass.org/docs/studio/members_hiro.php
おきなわワールド
南城市玉城前川1336
http://www.gyokusendo.co.jp/okinawaworld/

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