珊瑚の島の鍾乳洞
宮古島の南東にある保良川ビーチをシーカヤックで出発し、珊瑚の間をすべりながら向かったのは、ゴツゴツとしたがけの下。引き潮のときにだけ現れる小さな穴が、鍾乳洞の入り口です。「ここは海の神様を祀っていた場所です。入る前にはお祈りして下さいね」というガイドさんの説明にシーカヤックを降りて手を合わせ、ぽっかりと空いた穴の奥の暗闇に、一瞬ためらいながらも思い切って泳ぎ入ると、そこは神秘の空間。外からの光が水底に反射して青く輝き、真っ暗な空間にライトを当てると、天井や壁からは幾重にもつららのような鍾乳石が連なります。「壁や天井から落ちる雫に含まれる石灰が結晶化してできるのが鍾乳石。1cm伸びるのに百年かかると言われています」。悠久の大自然が作り出した造形美に、ただ息をのむばかりなのです。