あるバーで「伊江島においしいラム酒がある」と聞いて気になっていたので、沖縄本島の本部港からフェリーに乗り込み30分、伊江島へと向かいました。「伊江島タッチュー」と呼ばれる岩山に登って、ひと汗かいて、サトウキビや葉たばこの畑を眺めながら島の南海岸にある蒸留所へ。案内してくれたのは若き所長の知念さん。「この島は水はけがいいので米が育たず、泡盛が作れません。ずっと“島の酒”がなかったんです。でもサトウキビで作るラムならできるんじゃないかと、実験のために建てられた施設を3年前に引き継いで蒸留所にしました。ここでは、サトウキビの絞り汁だけを使っているので香りが違いますよ」。できたてのラムを口に含むと、舌がピリッとしたあとに、サトウキビの爽やかで甘い香りがフワッと広がって、喉がカアッと燃え立ちます。「ラベルには島のシンボルのユリとタッチューをデザインしました。島の新しい顔として海の向こうへ広めていけたら」。南国の太陽と赤土の大地、島人の情熱が生み出した伊江ラム。夏色に輝く伊江島の景色とともに味わえば、より熱く、深く染み入ります。
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- 蒸留所見学で、できたてラムを。
- イエラムの名前は「サンタマリア」。江戸時代末期に、伊江島にも自生するテッポウユリの沖縄原種が海を渡り、ヨーロッパの人々にマリアの花(イースターリリー)として愛され続けていることにちなんでつけられました。現在つくられているのは、サトウキビのフレッシュな甘みと香りが味わえる「クリスタル」と、オーク樽で熟成させたふくよかな味わいの「ゴールド」の2種類。島の湧き水を使った「イエソーダ」や、ラムと同じ伊江島産のサトウキビを使ったシロップと合わせてカクテルにしてもおいしいです。伊江島蒸留所は見学もOK。サトウキビの甘い香りが立ち込めるなかで、できたてのラムを味わってみて。
- タッチューを仰ぐ宿で、パワーチャージ。
- 標高172m、島のシンボルであり守り神でもある城山(伊江島タッチュー)の麓にある民宿&カフェ。店主のお父さんが建設したという建物はまるでアート作品!「ガジュマルの木々や波、星など、島の豊かな自然がモチーフになっています」とのこと。庭には「鳥たちが落としていった種から生まれた」という様々な草花が咲き乱れ、爽やかな緑の風が心地よく吹き抜けます。日帰りでも十分楽しめる伊江島ですが、タッチューを仰ぐ素敵な宿に泊まって、からだにやさしいごはんを食べて、パワーチャージするのもおすすめです。
- 伊江ラムをお気に入りの琉球グラスで。
- 葉たばこ畑のなかにぽつんと佇む小さなヤーマ(小屋)は、女性オーナーがセレクトする沖縄雑貨のお店。やちむん、琉球ガラス、木工雑貨、てぬぐい、はんこ、アクセサリーなど、心くすぐるかわいい雑貨がそろいます。伊江ラムを注いだロックグラスは、こちらで買い求めたもの。伊江島育ちのおいしいものを、沖縄生まれのすてきな器と合わせて楽しんでみては。